チームを運営して何かを何し遂げるって、大海原を航海するのにとっても似ているのではと思うんです。
完全に想像ですが、遠い目的地まで航海するってとても大変だと思うんですね。
まずは、チームとは何でしょうか?グループなどとは何が違うのでしょうか?
目 次
チームって何?
人の集団をさす言葉として「グループ」や「チーム」がありますね。
「グループ」は単なる人の集まりですね。
一見すると何か目的をもって行動しているように見えることもありますが、単にみんなが同じ行動をしているだけ、もしくは誰かのいう通りにただ動いているだけ。
「チーム」は、共通の目的を持ち、一人ではできないことを複数人で補完しながら進んでいく(行こうとしている)集団。
グループは個々の足し算引き算に過ぎませんが、理想のチームでは個々の足し算以上となることが期待されると言えそうですね。
航海とチーム運営が似ていると思うところ
『大海原の航海』と『チーム運営』が似ていると思うところを書き出してみました。
一つ一つ見ていきましょう。
目的地(ゴール)をそう簡単には変更できない
航海で目的地を変えることは、アクシデントでたどり着けないこと以外は、ほぼないといってよいでしょう。
チーム運営もそうですよね。
何かのゴールを達成するためにチームとして集まったのですから、誰かの一存でゴールがコロコロ変わったらたまりませんよね(実際は、結構あったりするが・・・)。
途中で目的地が違うんじゃないかと思った場合でも、そう簡単に変えることはできないはずです。
ただし、目的地が幻想だったり、間違いだったり、本来のゴールが出発後に分かった場合には、修正する器量というのも船長であるリーダーには求められますが、その点に関してはまた別の機会にでも書きたいと思います。
人や食料・水などを簡単に補給したり取り換えることができない
船のスペースに限りがあるなど、水や食料や資材など詰める量には限りがありますよね。
乗員も同じで、たくさんの人を乗せることはできませんね。
ましてや、航海の途中で自由に水や食料を補給をしたり、乗員を新たに雇ったり交代させたりすることも自由にはできませんね。
補給や補充をしたければ、計画的に行う必要があるでしょう。
チーム運営も同じですね。
「あれが足りないから追加しておいて」「こういうスキルの人が欲しいからアサインして」なんてことが叶うのは、ごくごく一部ではないでしょうか。
ほとんどの場合が、とても潤沢とはいえない予算となんとかかき集めてもらったメンバーでプロジェクトを遂行させないといけないでしょう
追加の予算や人員をくれ、なんてとてもいえる状況ではないでしょうね。
状況が刻々と変わるため、その場での適切な判断が必要となる
出航から目的地に着いて、無事に帰還するまで順風満帆の航海なんてそうそうないでしょう。
晴れたと思ったら、嵐になり、スケジュール通りに進めるなんてことのほうが少ないでしょうね。
最初の計画を立てておくことはとても大切ですが、計画通りにいかない場合のほうが多いと思います。
実際のチーム運営もおなじですね。
最初の計画通りにいくプロジェクトはほとんどないと思います。
何かを生産的に生み出しているというよりは、困難を解決している時間がほとんどなのではないでしょうか?
これでもかという想定外の出来事は起きますし、チーム内での役割も当初の想定と実際の役割は違ってしまった、という場合も多いのではないでしょうか?
ただ、チームが困難に取り組んでいるときほど、周りの人が何をして欲しいのか、あうんの呼吸で動けるようになったりもしますね。
持ち場の人間は必要最低限しかいない
船上のスペースの問題だったり、予算の関係だったり、そのスキルを持つ人が少なかったり、理由はいろいろですが船員の数もとても余裕がある人数は確保できないですよね。
実際のチームでも同じですよね、必要最低限どころか足りねーよ、なんて状態でプロジェクトが始まってしまうことも珍しくないと思います。
スキルを持つ人が足りなければ、こなしながらスキルを身に着けることが前提だったり、マルチタスクで他の人の持ち場も補助したり、成長して効率よくできることを期待されてのアサインだったりすることが多いのではないでしょうか?
時には、目的を変更したりあきらめる勇気も必要
最初に「目的地(ゴール)をそう簡単には変更できない」と言いつつも、実際の航海ではこれ以上進むことはできないという状況に陥ることも多々あったでしょう。
「ここで引き返せば、目的にはたどり着けないがみんなの命を失うことなく戻ることが出来る」なんて決断もあったでしょうし、死屍累々を築いて目的地に強行したなんてこともあったかもしれません。
実際のチーム運営も、全力を尽くしても目的が叶わず勇気ある撤退をするという決断をすることもあるかもしれませんね。
計画そして場合によっては、目的すら見失ってデスマーチで彷徨うなんて経験をされた方もいるかもしれませんね
応急処置的なことも行う必要がある
一度航海に出たら、そうそう簡単に修理を頼んだり、欲しい時に欲しいものを届けてもらうわけにはいきません。
壊れてしまっても何とか直して使う、代替品や知恵を出して乗り切る。
このような柔軟性が必要だったと思います
実際のチーム運営も同様ですね。
「あれがなーい、これが必要!」と叫んでみてもむなしく響くだけということも多いのではないでしょうか?
その場での適切な判断にもつながりますが、知恵を出して手元にあるもので何とかしなくてはいけない、そんな柔軟な対応が求められることもあるのではないでしょうか。
また、自分の専門に特化するだけではなく、簡単な周りの手助けができるぐらいの知識なんかも必要かもしれませんね。
床下一枚は地獄、一蓮托生で協力することが必要
大航海時代のような航海では、まさに床下一枚は海の奈落底で生死の境目に常に居続けるような感覚ではなかったでしょうか。
こうなると周りを信用して命を預けないとやっていられないでしょうね。
もちろん、自分自身も自分と仲間の命を預かっている、そんな連帯感が生まれたのではないでしょうか。
(あまりにストレスがかかってくると、チームが結束するどころか船上で反乱なんてこともあってでしょうが・・・)
実際のチーム運営でもそうだと思います。
最初はぎこちなく始まったプロジェクトも、困難を乗り越える度に力強くまとまってチームになっていく。
人が集まっただけではチームにはならないのですよね。
目的を共有して、そのためには自分の持ち場として何をやるのか、自分がどう動くと全体としてプラスになるのか、そんなことを考えながらメンバー一人一人が動けると最強のチームが出来上がるでしょうね。
ただし、残念なことに困難に立ち向かえるチームはとても少ないことも確かです。
チームワークなどなく、個々がただ勝手に動いていて、時間切れでチームが解散する。
とても目的地に到達したとは言えない状況で終わってしまう、そんな『航海』をたくさん見てきました。
チーム運営に必要なもの
個々の状況に応じて様々だとは思います。
決して、『こうすれば必ずうまくいく!』というものはないとは思います。
チームビルドとチームマネジメントに対して、常日頃考えていることでヒントになりそうなことを、少しづつ書いていければいいなと思います。
(ここに何かヒントがあるかも?と思って読んでくださった方、すいません)