人生の波間に翻弄され、心がざわめく瞬間、ふと立ち止まって自分を見つめ直したくなることはありませんか?
そんな時にそっと寄り添い、勇気と平静を与えてくれるのが、アメリカの神学者ラインホルド・ニーバー作とされる「ニーバーの祈り」です。
簡潔な言葉の中に込められた深いメッセージは、世界中の人々を魅了し、困難を乗り越え、自分らしく生きるための指針として長く愛され続けています。
この記事では、ニーバーの祈りの歴史、込められた意味、そして現代を生きる私たちにとっての重要性について深く掘り下げていきます。
あなたは、この普遍的な祈りの言葉から、どのような気づきを得るでしょうか?
さあ、一緒にニーバーの祈りという心の羅針盤を手にして、自分自身と向き合い、より充実した人生を切り開いていきましょう。
ニーバーの祈りとは
ニーバーの祈りとは、アメリカの神学者ラインホルド・ニーバー(1892–1971年)が作ったとされる祈りの言葉です。
ニーバーは、第二次世界大戦の混乱の中で、人々が困難に直面しても平静を保つための方法を模索していました。ニーバーの祈りは、その模索の成果として生まれたものです。
その前半部分を紹介します。
God, give us grace to accept with serenity
the things that cannot be changed,
Courage to change the things
which should be changed,
and the Wisdom to distinguish
the one from the other.
日本語訳
「神よ、変えられないものを静かに受け入れることのできる強さと
変えなくてはならないものを変える勇気
そして、変えられないものと変えるべきものを見分ける賢さを与えたまえ」
皆さんもこんなことありませんか?
「過去の失敗をいつまでもクヨクヨと嘆いて進めない…」
「やらなくちゃいけないことなのに、ズルズルと先延ばしになっている…」
かくいう自分も、いつもこんな感じでグルグルしちゃっているんですけどね。
そんな時に、是非とも思い出したい言葉です。
変えられないもの、とは
人生には、自分の力ではどうにもならないことがたくさんあります。例えば、天候や他人の行動などです。
そのようなことを無理に変えようとすると、ストレスや不安が募るだけでしょう。
ニーバーの祈りは、そのような「変えられないこと」を認めることの大切さを教えてくれます。
具体的な例
- 大切な予定の日に雨が降る
- 他人が無責任にあれこれ意見を言う
- 過去にしてしまった失敗
変えなくちゃいけないもの、とは
自分の行動や考え方を変えることで、人生をより良くすることができることがあります。
例えば、健康的な生活習慣を身につける、新しいことに挑戦するなどです。
ニーバーの祈りは、そのような「変えられること」に対して積極的に行動することの大切さを教えてくれます。
具体的な例
- 健康的な食事を心がける
- 適度な運動をする
- 新しい趣味を始める
- 資格取得に挑戦する
変えられないものと変えるべきものを見分ける賢さ
人生には、答えのない問題があることを認めることも大切です。
例えば、死や運命などです。
そのような問題に対して答えを求めようとすると、苦悩に陥ってしまうかもしれません。
ニーバーの祈りは、そのような「どちらかわからないこと」を受け入れることの大切さを教えてくれます。
具体的な例
- 死や運命を受け入れ、今を生きる
- 物事を完璧にしようとしない
- 不確実性を恐れない
宇多田ヒカルさんの歌詞にも登場
変えられないものを受け入れる力 そして受け入れられないものを変える力をちょうだいよ
Wait & See 宇多田ヒカル
宇多田ヒカルさんの「Wait & See」という歌の中に、この「ニーバーの祈り」の影響を受けたと思われる歌詞がありますね。
ニーバーの祈りの全文と日本語訳
Serenity Prayer(平安を願う者)とも言われる、ニーバーの祈りの全文です(いろいろなバージョンがあるみたい)。
自分なりに日本語訳を付けてみました。
Serenity Prayer by Reinhold Niebuhr
God, give us grace to accept with serenity
the things that cannot be changed,
Courage to change the things
which should be changed,
and the Wisdom to distinguish
the one from the other.Living one day at a time,
Enjoying one moment at a time,
Accepting hardship as a pathway to peace,
Taking, as Jesus did,
This sinful world as it is,
Not as I would have it,
Trusting that You will make all things right,
If I surrender to Your will,
So that I may be reasonably happy in this life,
And supremely happy with You forever in the next.Amen.
神よ、変えられないものを静かに受け入れることのできる強さと
変えなくてはならないものを変える勇気
そして、変えられないものと変えるべきものを見分ける賢さを与えたまえ
一日一日を大切に生き あらゆる瞬間を楽しみ
平安に至る道として困難を受け止めなさい
かつてイエスがそうしたように この罪深い世界をあるがままに受け止めなさい。
決して私の思うとおりにはならないが、神が全て善きようにしてくださることを信じなさい。
もしあなたが神の御心に委ねるのならば、この世は幸福に満ちたものとなり
さらには永遠に至極の幸福となるでしょう。
アーメン
まとめ
どんなに嘆いても変えられないものはあります。
でも、あなたの少しの勇気で変えられるものもたくさんあります。
例えば、他人の気持ちは変えられませんが、自分の心はあなた次第で変えられます。
変えられないものにクヨクヨするより、あなたにしかできないことに勇気を出して立ち向かいませんか?
子供との関係に悩んでいたら読んで欲しい言葉はこちらのハリール・ジブラーンの「子供について」です」