競争相手を他人にしてしまうとつらくなります。
他人と比較するのではなく、真のライバルは「自分」だと思って、過去の自分に勝つことを目標に人生のギアを上げていきましょう。
他人と争うとつらくなる
「他人と争うとつらくなる」
それは負け犬のセリフだという人もいるかもしれませんね。
オレは連戦連勝で負け知らずだぜ、負ける人の気持ちなんか知らねーぜ、という優秀なあなたはこれ以上は読む必要はないかもしれません。
ところで、誰かに抜かれた時に抜き返してやれっとスピードアップしたり、電車の席を取らんがために我先にと電車内に飛び込んだりしたことはありますか?
自分が勝つと優越感を味わったり、負けると悔しくなったりした経験はないですか?
自分はあります。
電車の席取りでは座れなかったこと以上に、目の前で涼しい顔して座っているこのおっさんに負けたかと思うと悔しくて、心の中で地団駄を踏み鳴らしていました。
競争をすると、一人の勝者とそれ以外の敗者が生まれます。
アドラー心理学で言うところの「縦の関係」の状態ですね。
競争についてこんなことを言う人がいるかもしれないですね。
「負けない様に努力をすればよい、勝とうとする気持ちやその努力が人間社会全体の進歩や成長の源なのだ」
「現実の社会には、入試や就職、出世の競争、契約を勝ち取るコンペなど競争にあふれている。競争することが良いかどうかは別に、競争に対応する方法を学ぶのは生き抜くうえで必要だ」
誰かに勝てば、優越感を味合うことが出来て勝った人は気持ちが良いかもしれない。
でも、みんなが勝者になれるわけではない、一人が気持ちよくなるために多くの人の悔しさが必要なのでしょうか?
勝つために何をしても良いの?
勝つことに焦点を合わせすぎると、勝つための努力が必要だという意見の一方で、とにかく勝つためには何をしてもよいのだとという意見もでてきかねません。
勝つために何をしてもよい、そのマインドでいると、こんな考えも生まれてきませんか?
- ズルをする
- 言い訳をして勝ったと主張する
- 自分の勝てる領域でのみ勝負をする
もちろん、ズルはよくないですよね。
実際の勝負には負けたのに、中身では勝った、勝たせてあげた、不運で負けたが通常であれば勝っていた、なんて言い訳がいっぱいの人が周りにいませんか?
勝つためにランクを下げたり無理やり自分が勝てる領域に持ち込んで、とにかく勝てればよい。
何でもいいからとにかく勝つこと、そのことが目的になってるってどう思いますか?
人のあげ足をとり、マウントばかりしてくる人。こんな人とは競争どころか関わりを持ちたくないですよね。
勝つために何をしても良いのでしょうか?
もちろん答えは「ノー」です。
では、争うこともしない方が良いのでしょうか?
健全な戦い方はきっとある
2019年3月22日に行われたイチロー選手の引退会見で、健全な競争とは何かについてのヒントになりそうな言葉があったので紹介します。
あくまで測りは自分の中にある。それで自分なりにその測りを使いながら、自分の限界を見ながらちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの間にかこんな自分になっているんだ(イチロー引退【会見全文・前編】-AERA dot.より-)
他人と比べるのではなく、あくまで比較の対象は自分だということ。
昨日までの自分を少しずつ超えていくことを繰り返すことで、ものすごい偉業につながったということなのでしょうね。
他人と比べることではなく、あくまで対象は自分自身である。
この気持ちで臨むことが出来れば、他人と争わずに自分自身を成長させることが出来るはずです。
自分自身に勝ち続けた結果、他人にも勝ってしまった。これが目指す最高のパターンだと思いませんか?
勝つことで優越感を得たいことが目的になると、ズルをしてでも、難くせをつけてでもとにかく勝てればよい。
それで得た勝ちってなんでしょう?つまらない優越感を得るために無駄な労力を使っているのではと、ふと思ってしまいますね。
自分を成長させたいのであれば、競うべき相手は昨日までの自分であるはずです。
最大のライバルは自分であることに気が付けば、他人を追い落とそうと無駄なエネルギーを使っていたことに気が付くでしょう。
でも、勝手に争いに巻き込まれるんだよな、そういう場面って必ずありますね。
その時は、とにかく自分が冷静になってその場を離れることです。「負けるが勝ち」っていうじゃありませんか。
意地の張り合いの戦いから自ら降りるほうが得策ということのほうが多いはずです。
では、スポーツやありとあらゆる競争は不要だと思ういますか?という質問が出そうですね。
変な意味で真剣にならず競争することを楽しめばよいのです。
今の世の中、負けても命までは取られないことを思い出してください。
相手との競争の中で自分が成長できる部分を探して、相手を打ち負かすのではなく昨日の自分との競争だという部分を見つければよいのです。
まとめ
健全な競争は自分の成長を高めてくれます。
他人に勝つことが目的になると、ズルしたり、自分が勝てる部分や相手の弱みに付け込んで、ただマウントすればよいなんてことになります。
競争することで自分を成長させたいということを願うのであれば、「過去の自分を超えられるか」にフォーカスするほうが良いと提言しました。
イチロー選手も自分を少しずつ超えていくことで偉業を達成できたと述べていますね。
健全な競争はモチベーションを高めてくれたりするので否定はしません。
ただ相手を勝つことだけを目的とせずに、自分を超えて成長できる取り組みを見つけるのがよいですね。
勝ち負けに真剣になりすぎずに、ゲーム感覚で競争を楽しめばよいと思います。